防爆エリアは、ガス蒸気危険場所と粉じん危険場所に分けられます。ガス蒸気危険場所では、可燃性のガスや蒸気の発生が予想されるため、特別な対策が必要です。
一方、粉じん危険場所では、可燃性粉じんの発生が予想されるため、火花や高温物体からの着火を防ぐ対策が求められます。安全確保のためには、それぞれの危険場所に適切な防爆対策を施し、事故や火災のリスクを最小限に抑えることが重要です。
特別危険箇所(0種場所、Zone0)は、ガス蒸気危険場所の中でも最も危険な場所です。ここでは、連続的かつ頻繁に爆発性雰囲気が生成されるため、高度な防爆対策が必要になります。
可燃性ガスが保管されるタンクや容器内部、可燃性液体の液面上部などが具体的な例です。安全確保のためには、適切な装置や設備の選定、点検や保守の徹底、厳格な作業手順の遵守など、厳重な管理が欠かせません。
第一類危険箇所(1種場所、Zone1)は、通常の状態で爆発性雰囲気が存在したり生成される可能性があるエリアです。
具体的な例としては、通常の作業時や点検・修理時において可燃性ガスや蒸気を放出するタンクや容器の開口部付近、または屋内や換気が制限される状況下で可燃性ガスや蒸気が滞留しやすい場所が挙げられます。
第二類危険箇所(2種場所、Zone2)は、通常時には爆発性雰囲気が生成される可能性が低いエリアです。爆発性雰囲気が発生する場合でも、その継続時間は短いことが条件となります。
具体的な例としては、劣化や腐敗した配管やパッキンの周辺、容器の破損や装置の操作ミスによって爆発性雰囲気が発生する可能性のある場所、換気装置が故障して爆発性雰囲気を生成しない状態になってしまった場所、また第一類危険箇所(1種場所、Zone1)の周辺や隣接した部屋で爆発性雰囲気が生成される場所が挙げられます。
「粉じん危険場所」とは、多くの粉じんが空気中に浮遊し、火災や爆発のリスクが存在するエリア、または粉じんが蓄積され、浮遊する可能性があるエリアを指します。粉じんには可燃性粉じん(鉄、銅、カーボン、小麦粉、合成樹脂、ゴム、薬品など)と爆発性粉じん(アルミニウム、チタン、マグネシウムなど)があります。
粉じん危険場所は、以下の3つのゾーンに分類されます。 ゾーン20 ゾーン21 ゾーン22 粉じん危険場所には様々な業界や施設があり、食品業の工場や倉庫、金属加工業の工場や倉庫、製紙工場、建材製造工場、化粧品原料工場、製薬工場、花火製作所、ゴムのリサイクル工場、産業廃棄物処理業者の作業場所などがその例です。
放出源の等級 | 換気度 | ||||||
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高換気度 | 中換気度 | 低換気度 | |||||
有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 全有効度「良・可・弱」 | |
連続等級放出源 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 |
第一等級放出源 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 ※条件によっては特別危険場所 |
第二等級放出源 | 非危険場所 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 ※条件によっては特別危険場所 |
参照元:カナデン公式サイト(https://products.kanaden.co.jp/labo/boubaku_top/boubaku_2/)
放出源の等級 | 換気度 | ||||||
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高換気度 | 中換気度 | 低換気度 | |||||
有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 有効度「良」 | 有効度「可」 | 有効度「弱」 | 全有効度「良・可・弱」 | |
連続等級放出源 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 | 特別危険箇所 |
第一等級放出源 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 | 第一類危険箇所 ※条件によっては特別危険場所 |
第二等級放出源 | 非危険場所 | 非危険場所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第二類危険箇所 | 第一類危険箇所 ※条件によっては特別危険場所 |
参照元:カナデン公式サイト(https://products.kanaden.co.jp/labo/boubaku_top/boubaku_2/)
換気度 | 分類の条件 |
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高換気度 |
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中換気度 |
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低換気度 |
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参照元:カナデン公式サイト(https://products.kanaden.co.jp/labo/boubaku_top/boubaku_2/)
換気の有効度 | 分類の条件 |
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良 |
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可 |
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弱 |
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参照元:カナデン公式サイト(https://products.kanaden.co.jp/labo/boubaku_top/boubaku_2/)
粉じん危険場所 | 粉じんが空気中に存在する時間目安 |
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ゾーン20 | 1000時間以上 / 年 |
ゾーン21 | 10~1000時間 / 年 |
ゾーン22 | 1〜10時間 / 年 |
参照元:カナデン公式サイト(https://products.kanaden.co.jp/labo/boubaku_top/boubaku_2/)
このページでは、防爆エリアの分類と防爆機器の重要性について解説しました。施設内の危険場所が適切に設定されているか確認することが大切です。防爆規格に準拠した日本の防爆機器を使用することで、安全かつ効率的な作業環境を実現できます。
危険場所の分類に基づいて適切な防爆機器を選定し、生産性と安全性を向上させましょう。
防爆タブレットを選ぶ際には重要な3つのポイントがあります。
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